オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

家族のかたち

2020年9月6日 オタワにて綴る ー

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに心から感謝します☆

 

九月になりました。九月になりましたね。皆さん、新しい月の始め、どんなことを感じて過ごしていますか?

 

私の部屋の壁に掛けてある暦によると、今週の水曜日は満月でした。ちょうどその前日の夜に、外に出てみたら、Experimental Farmの広大な平らな地平線の上にきれいにまん丸のお月様が見えて、私はそれを今月のお月見として大事に心に収めました。皆さんは、今月の満月はどこでどんな風にお目にかかりましたか?

 

オタワでは八月末から少しずつ秋の気配が漂ってきて、この一週間ほどは、気温も15℃から20℃の間の日が多かったです。夏の湿気もだいぶ引いてきて、外はからっとしたさわやかな空気が気持ち良いです。とはいえ、夏もまだ去ってしまったわけではなく、ここ数日は夕方に毎日夕立が降っています。蝉の声も、かすかになってきましたが、まだ時々聞こえます。でも、それにも増して、秋の訪れがはっきりと感じられるようになってきました。最近では鈴虫の声が目立って聞こえますし、そうそう、先日は近所の道を歩いていた折に、今年初の赤く紅葉した葉っぱを木のてっぺんに見つけましたよ!

 

私たちこの家の7人は皆元気に九月を迎えることができました。最近、私たちの家の中で 『Buy Nothing』(直訳:『何も買わない』)というものがはやっています。これはオンラインのコミュニティで、いわゆるガレージセールのオンラインバージョンとも言えるかもしれませんが、もっと画期的な中身です。地域ごとにグループがあり、そのグループに、要らなくなったものを出す人と、欲しいものがある人が集まってきます。この辺りは普通のオンラインショッピングと似ていますが、『Buy Nothing』のすごいところは、お金のやりとりが一切生じないことです。つまり、『Sell for nothing, buy for nothing』(無料で売り、無料で買う)ということ。

 

少し前に、ハウスメイトが友だちからこの『Buy Nothing』のことを聞いてきて、ぜひ私たちも使ってみよう!と興味津々で使い始めました。何か欲しいものがあると、「Wish List」に名前を載せて、誰かがその品物を出すのを楽しみに待ちます。誰かがそれを出品すると連絡が来て、他に欲しい人がいなければ契約成立、日時を決めて車か自転車で受け取りに行きます。以来、調理スパイス小瓶セットに始まり、椅子、XBox(ゲーム)、そして最近は本棚など、家の人たちは必要なものや欲しかったものをいろいろとこの『Buy Nothing』を通して受け取りました。私自身はまだ使ったことはありませんが、ハウスメイトが活用するのを見て、なかなか良いシステムだなと思って見ています。お金がかからないだけではなく、そこに物を出品する人もその物に思い入れがあったりして、「贈り物」という感じがするところがとても良いです。

 

さて、この日記によく登場する私の6人のハウスメイトですが、最近、私は彼らの存在に対して改めて感じることがありました。それは「家族」という気持ちです。

 

「家族」という気持ち ー。 それは一体何でしょうか。

 

天使の生まれ育った国日本では、血のつながりというものをとても大事にします。家族とは血のつながり、という考え。

 

また、法律上での関係性を家族と考える見方もあります。

 

そしてよく聞かれる、「結婚して新しい家族を持つ」という言い回し。

 

こういう風に考えていくと、それ以外の関係性は、それがどんなに深いものだとしても、「家族」ではない、という気がしてきます。それは「友情」かもしれないけれど、「家族」ではない。「家族のような」関係かもしれないけど、「本物の家族」ではない。どんなに素晴らしい関係性だとしても、それは「家族」ではない。そういう考え。

 

私もこれまで、そのような思い込みのもと、心の中でハウスメイトのことを「家族のような」と表現していました。でも、先日、私はふと思いました。

 

「そうじゃないな。『家族のような』じゃない。私のハウスメイトは、今私の『家族』そのものだ」

 

毎日朝起きて、初めて会う時に「おはよう」と言う。

夜寝る時に「おやすみ、良く寝てね」と言う。

お互いの日課、癖、好物、嫌いなものを知っている。

「ご飯を食べたか」と声を掛ける。

外から帰ってきたら、誰かがドアを開けて「おかえり」と言ってくれる。

お互いがいつも何時に寝て何時に起きるか知っている。

元気な時、あんまり元気じゃない時、何も言わなくとも、気が付く。

誕生日の日は必ず皆で集まってお祝いする。

それぞれの大事な日は、皆でお祝いする。

お互いが今どんなことに挑戦していて、どんなことが困難か、見守っている。

 

先日、私は外で友だちと会って帰ってくるとき、ご飯も作っておらず、遅くなってしまったので、どうするかなーと思いながら家に帰りました。とりあえず、ご飯は炊いてあったから、なにか簡単に作って食べよう、と決めて戸口に立って鍵をガチャガチャし出したら、まず、ハウスメイトが一人私に気づいてドアを開けてくれました。中に入ってリビングに行くと、皆がご飯をちょうど食べ終わるところでした。私が通りすがると、

 

「天使、これ食べる?」

 

と残っていたお皿のおかずを勧めてくれました。

 

「うん、食べる!」

 

と言って、手を洗って椅子に座ると、別のハウスメイトが「これも食べな」と他のお皿も勧めてくれました。泣きませんでしたが、実は涙が出るほど嬉しかったです。

 

その時、私の胸に浮かんだ言葉は、

「私にも、帰ってくる場所があったんだ。」

 

その夜のことは忘れられません。私に大事なことを思い出させてくれた夜でした。

 

私のハウスメイトは私の友達であり、家族です。この家族は外から見たら、血もつながっていないし、法律的には単に同じ屋根の下に住んでいる同居人だし、さらには、一時的です。いつかは、それぞれに結婚したり、家を買ったりして別々の屋根の下に分かれていく日がくると思います。でも、大事なことは、今この瞬間に、私たちは同じ屋根の下に住む立派な「家族」だということです。「家族のような」というまがい物ではなく。そして、それは一時的であっても、素晴らしく価値のあることです。

 

皆さんにとって、「家族」とは何ですか?それはどんな場所ですか?

 

 

おしまいに、今週のフォトレターです。

 

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ハウスメイトの誕生日パーティー

今週はあんまり写真を撮っていませんでした!これ一枚しかお届けできず、ごめんなさい。次回はもう少しいろいろな写真が届けられるようにします☆

 

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も、皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

愛を込めて、

オタワの天使