ガネーシャ祭
2020年8月23日 オタワにて綴る -
皆さんこんにちは、オタワの天使です♪
今日、この日記を訪ねてくださったことに心から感謝します☆
8月もいよいよ後半に差し掛かりました。本日のオタワは昨日の蒸し暑さが和らいで、過ごしやすい穏やかな気候です。午前中鳴いていた蝉や他の虫たちが今は静まり、外には一時の静けさが訪れています。下のリビングからは何やらスポーツ観戦のような声が聞こえてきますが、いったい何のスポーツでしょうか。
皆さんはこの二日間どんな週末を過ごし、また、これからどんな新しい一週間を迎えていますか。
昨日22日はインドのガネーシャ祭の第一日目でした。ガネーシャ様はヒンドゥ教の神様の一人で、ガネーシャ祭はこの神様にまつわるお祭りです。毎年、お祭りの日取りは変わるそうですが、今年は8月22日から5日間が祭日。第一日目はガネーシャ様を家にお迎えする日、そして5日間の滞在を経て、最終日はガネーシャ様が旅に立たれる日。
このお祭りの前、それぞれの家ではガネーシャ様が安心して滞在できる小さなお家をつくり、お祭りの初日に土の粘土で模られたガネーシャ様の像を家の外から中へ掛け声とともにお迎えします。この日から5日間、家の人たちは毎朝、毎夕、ガネーシャ様にお食事をお供えし、お祈りを捧げます(この期間は、ガネーシャ様は私たちの家のお部屋一つ一つをよく見て回って祝福してくださるそうです)。そして、最終日の旅立ちの日には、ガネーシャ様は好物の甘いお菓子ラッドゥ(Ladoo)とともに旅に立たれ、それぞれの家ではガネーシャ様の像を水に沈めて一時のお別れを告げます。
1か月前頃、たまたまハウスメイトの一人の部屋を訪ねた時、彼女は私にこのお祭りのことを話してくれました。そして、実はこのお祭りをこの家で実現したいと思っているんだ、ということを、恐る恐る、しかし力強く話しました。オタワ市内にガネーシャ様の粘土像を作っているアーティストがいることを知って、その方に粘土像を一つ注文したいと考えているんだ、と。
でも、果たして他の人たちはこの計画が気に入るかな?それから、もしこのお祭りを執り行うとしたら、ガネーシャ様のお家を作らなければいけないのだけど、できるかな?
ハウスメイトは心配な点を2つ口にしましたが、私は考えるより先に、彼女の両手を握っていました(なぜか、私は彼女と話すときにはいつも両手を握ります。傍から見るとちょっとドラマチックなようですが(笑))。
「それは、とてもいい考えだよ。皆もきっと気に入るよ!」
そして、家づくりについては、
「段ボールを使えば作れるよ!ほら、地下室にいっぱい転がっているでしょ、あれを使おうよ。」
それから数日して、ハウスメイトは笑顔で「お祭りをやることになったよ!」と報告してくれました。アーティストの方とも連絡をとって、どのサイズ、どのデザインがいいか今相談している、と。
そして今週月曜日からは、私たちのうち工作好きの数人が毎晩リビングに座って、段ボールで家を作り始めました。地下室からガーデニング用と思われる段々も発掘して、家の骨組みをその上にこしらえました。三角屋根のデザインで、煙突も作りました。壁紙には私が普段から集めていた色々な包み紙を切って貼り、屋根は、別のハウスメイトのひらめきで、本物の家の屋根のように、2種類の色を組み合わせて「瓦」を貼りました。最後、床は緑色のきらきら光る包み紙を見つけたので、それを敷きました。
金曜日は準備の最終日。日中にはハウスメイト二人がお供え物のラッドゥを作り、夜にはアーティストの方のお家からガネーシャ様の像(手のひらに乗るようなかわいいサイズでした♡)を受け取りました。その後、段ボールのお家を豆電球で飾り、ハウスメイトの友だちが摘んできたお花で花飾りを作りました。
そして22日土曜日の朝 -。
10時過ぎ、私はインドの准正装のクルタに身を包み、ハウスメイトとお花を摘んできた友だちと一緒に三人で家の外のドアのところで位置に着きました。ハウスメイトの手には布でお顔を隠したガネーシャ様の像。
家の奥からガネーシャ様お迎えの音楽が鳴り響き、もう一人のハウスメイトがお盆に蝋燭とターメリックと一握りのお米と神聖な紐を載せてやってきました。儀式の始まりです。
「Ganpati Bappa Morya!! (ガンパティ バッパー モーリヤー!!)」
ガネーシャ様の像を両手に乗せたハウスメイトが大きな声で掛け声をかけると、私たちもそれに続き掛け声をかけました。
掛け声をかけながら、私は体全体に鳥肌が立つのを感じました。
その瞬間、私はこの日のために皆で日々重ねたささやかな準備の時間がこの瞬間につながるのを感じ、また、家の皆の心がひとつになるのを感じました。
そして、大事な記憶が私の体全体に蘇えってきました。
子供の頃、お祭りで皆で「わっしょいわっしょい」と言いながらお神輿を担いだ時の記憶。綱引き大会でクラスの皆で掛け声をかけながら綱を引いた時の記憶。学芸会で数か月かけて皆で準備した出し物を父兄の前で披露するときの特別な高揚感。
突然、私は体の奥底で「私たちがお祭りをするのはこの気持ちを経験するためなんだ」と思い至りました。
普段はそれぞれの生活だけれど、一緒に準備を重ね、一つのイベントを迎えることによって生まれる、自然で不思議な言葉を超えた繋がりの経験。この世界で一緒に生きていることを確認しあう体験。
改めて、このような伝統的なお祭りを身近な人々と一緒に執り行うことの意味の深さを思い知りました。
皆さんの周りには、どんなお祭りの機会がありますか?そこでどんな人たちとつながりますか?
おしまいに今週のフォトレターです。
こちらが私たちが用意した段ボールのお家です。画面左下に見えるのがラッドゥ(Ladoo)。ナッツの香りのする、甘くておいしいお菓子です。
大事なイベントには必ずこの二人も参加します。誰よりも良い場所を見つけるのが上手!
ちょうど今はリンゴの木に実がたくさんなっています。写真は近所のリンゴの木の様子です。リンゴのサイズは手のひらに乗るくらいで、味は - 酸っぱいです!
最後までお読みくださり、本当にありがとうございます☆
今日も、皆様にとって素敵な一日となりますように。
愛を込めて、
オタワの天使