オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

冬のワンダーランド、ダウ湖とスケート。

2021年2月23日、オタワにて綴る ー

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに心から感謝します☆

 

二月最後の週、皆さまいかがお過ごしですか。

 

春の訪れが日に日に近づくこの頃ですが、オタワは今年はまだ寒波の真っ只中にあります。2年前のこの時期には、もうだいぶ寒さが緩んできてリドーカナルの氷も解けていたのですが、今年はまだ連日-10℃とー20℃の間を行ったり来たりしています。雪もほぼ毎日降って積もりに積もり、外はいかにも雪国といった景色です。昔小学生の頃に教科書で読んだ物語、新美南吉著「手袋を買いに」の挿絵が思い出されます。

 

この一週間、私は新しい日課を取り入れました。それは、毎朝、朝ごはんの前に近所のブロック(日本でいうところの番地)を一周する、という約10分ほどのお散歩プロジェクトです。これがとても楽しくて、なんで今までやらなかったのだろう!と思わず自分のおでこをパチンと叩きました。同じ道を歩いていても、毎日一日として同じ日はなく、澄み渡った青空に金色に輝く朝日にため息をつく日もあれば、街路樹の枝にうっすら積もった雪が凍って美しい結晶を作っているのに目を見張る日があったり、またある日は道の反対側を歩いていた可愛い犬と目が合って心が温まったりと、本当に発見に満ちた朝の10分間です。毎日、夜寝る前にも、今朝の散歩のことを思い出して、深く心が満たされるような、そんな魔法の時間です。

 

さて、今日は皆さんに特別のご報告があります。何もそんなにお恐れたことではありませんが、でも私としては息を弾ませずにはいられない ー

 

先週末、オタワ生活四年目の冬にして、私は初めて、地元のダウ湖の上でスケートをしてきました!!!

 

この興奮を本当に皆さまと分かち合うためには、いくつか説明を加える必要があるかと思います。まずは、オタワの冬は気温が下がるので、リドーカナルやダウ湖(このブログにも何度も登場しましたね!)が完全に凍るということです。そして、冬の間、その凍った水の上で、人々はスケートを楽しみます。スケートは、クロスカントリースキーと並んで、オタワの人々の冬の定番アウトドアスポーツ。この時期は、気温が低くて晴れている日というと、道端にはスケート靴を肩に背負った人々の姿がたくさん見られます。

 

もう一つは、「リドーカナルでスケート」はオタワの冬の名物だということです。以前、夏のオタワではサイクリングが盛んで、サイクリングをするとオタワ人になった気持ちがすると書いたことがありますが、

 

maplesummerhouse.hatenablog.com

 

まさに、その冬バージョンが「冬のリドーカナルでスケート」だと言えるかと思います。オタワに住んでいるなら、一度は経験してみなければいけない儀式のようなものの一つです。そのように意味深の「リドーカナルでスケート」を、私もついに、先週の日曜日に体験してきました。これで、私の興奮するわけが皆さまにも伝わったでしょうか。

 

日曜日の午後、私はハウスメイト二人とともに、スケート靴を持って、近くのダウ湖へ向かいました(ちなみに、ダウ湖はリドーカナルの一部に位置します)。私が前回スケートを履いたのは、ちょうど2年前、オタワ市庁舎の前のスケートリンクでのことでした。大学の数学科の大学院生のサークルが企画したイベントに参加して、他の友達と一緒にBGMのかかったリンクの上を何度も何度も回りました。私は東北出身ですが、スケートはかなりの初心者で、立ってバランスをとることはできても、「滑る」の部分がまだ習得途上です。カナダ出身の友達にポイントとなるコツを教えてもらいながら、その日、私は子供の時のように無我夢中で足の動きの練習に取り組みました。

 

日曜日の午後、ダウ湖にはたくさんの家族連れの姿が見えました。マスクをしようかと思いましたが、眼鏡が曇ってかえって危険なので、すぐにポケットにしまいました。

 

氷の上に降りて、スケートを履いて、私は歩き始めました。ところが、これが全然歩けない!2年前のわずか一日のレッスンはやはり忘れ去られてしまったのでしょうか?私はスケートを履いて一歩ずつ歩を進めながら、まるでよちよち歩きの子供に戻ったような感じがしました。そんな私の横を、本物の子供たちが上手にすーすーと滑っていきます。

 

一緒にいたハウスメイトはオタワに来てから何度かスケートをしていたので、私よりもだいぶ滑るのが上手でした。私がやっと入り口付近を抜け出て、湖本体に近づいた時、私の様子を見かねて、二人はスケートの滑り方「基本其の一」を教えてくれました。それはずばり、「一本の足は動かさず、もう一本の足で氷を横に向かって蹴るべし(push to the side)。その反動で持って、もう一方の足で氷の上を滑るべし」というもの。

 

これを聞いた瞬間、私の脳の奥で何かがパチンと閃きました。2年前の市庁舎の前のスケートリンクの上で、New Brunswick州出身の友達が教えてくれた言葉「Push to the side, then glide with the other foot (横に氷を押す、そしてもう一方の足で滑る)」です。

 

私はその言葉を唱えながら、再び体を動かし始めました。そして、ここがミラクルなのですが、私の体は2年前のあの練習をちゃんと覚えていました!まったくのよちよち歩きが一転して、私は「滑りもどき」をし始めました。そして、ほどなく、何とか自分で動き回れるようになりました。動き回れるようになると、私は、

 

「よーし、このコースを一周するのが今日の私の目標!」

 

とハウスメイト二人に向かって宣言。目の前に大きく広がるダウ湖に向かって亀のように慎重にゆっくりと動き出しました。反対側まで行って戻ってくる、というコースです。

 

私は一人、「Push to the side」の言葉を呪文のように唱えながら、一足一足滑りました。私はまだ向こう岸に辿り着かないのに、同じ人が私の横を通り過ぎていくのを何度も見ました。そのたびに、彼らの優雅で無駄のない体の動きに感心し、もう一度、意識を自分の体へと戻すのでした。

 

こんなに初心者でしたが、私はそんなことも全然気になりませんでした。一足一足滑りながら、私はただただ、辺りの美しい氷の景色に見とれていました。いつも湖の外から眺めている景色の中に、今自分が立っていると思うと、なんとも言えない不思議な気持ちがしました。そして、夏の、カヌーを浮かべていたあの水面の景色から、何という変化でしょうか!

 

約1時間半のスケート体験でしたが、体感ではその何倍もの時間が流れたように感じました。何といっても、大冒険の後に見える景色は今までとは全く違うものになっていました。

 

皆さんも、いつか冬のオタワにご来訪の際は、ぜひ、このリドーカナルのスケートをお楽しみください。充実した時間が過ごせることと、最高の思い出となること間違いなしです。

 

 

おしまいに、今週のフォトレターです。

 

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スケートする人で賑わうダウ湖

 

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冬のダウ湖の氷景色

 

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湖の反対側より。

 

写真に写っている全面が湖の水面です。良かったら、夏の写真とも比べてみてくださいね。

 

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も、皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

愛を込めて、

オタワの天使。