オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

問題と付き合う

2021年1月19日、オタワにて綴る ー

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに心から感謝します☆

 

一月後半に差し掛かりました。皆さまいかがお過ごしですか。

 

オタワではここ一週間ほど、雪が降ったりやんだりの日が続いています。前回のお便りを書いた時も外は雪景色でしたが、今も相変わらず、外は真っ白です。そして、雪の日ならではの心落ち着く静けさがあたり一面に広がっています。こんな日は車の音も、いつもより遠くに聞こえます。

 

さて、今日はふと思ったことがあったので筆をとりました。それは、私たちの日常の中にお供する様々な「問題」についてです。

 

私たちの生活って、落ち着いて見てみると、仮にどんなに平凡なように見えても、完全に「問題」から自由なことってないなあ、とつくづく思います。

 

小さい例だと、忙しい朝の時間にトイレに入って用を足したら、トイレが詰まって水が流れなくなったり。シャワーを浴び終わってタオルに手を伸ばしたら、タオルを忘れたことに気が付いたり。忙しくて買い物に行けない時に限って冷蔵庫が空っぽになったり。高額で買った愛用パソコンが2年目に突然壊れて、保険が全然効かなかったり。誰かのプレゼントに買ったアイテムが配達ミスで行方不明になってしまったり。

 

こういうハプニングの他にも、私たちのところにしばらく滞在する種類の「問題」もあります。例えば、私は10年近くの間、試験が近づく度にひどいパニック発作に悩まされました。突然呼吸が苦しくなったり、理由もなく涙が出てきたり、ネガティブ思考のループにはまって体が動かなくなったり。

 

私の身近な人たちも、片頭痛をもっていたり、食物アレルギーをもっていたり、パニック発作をもっていたり、睡眠に関する悩みをもっていたり、一人ひとり様々な「問題」とともに生活しています。

 

そして、こうした「問題」や「困難」は、ある日突然私たちのもとへやってきます。(例えば、ある晩突然、歯が痛くなって眠れなくなる。)そして、それは明日去るのか、数日滞在するのか、それとももっと長くいることになるのか、私たちは知るすべもないことがほとんどです。

 

世の中では、よく「問題を解決する」という表現がきかれます。つまり、「問題」は解決するもの、という考え方です。でも、この考え方だと、「問題」を問題視するという罠にはまってしまう危険があります。

 

私も昔、この罠にしっかりとはまりました。中学生の頃から高校生の頃にかけて、私は急に学校などで人と話せなくなったことがありました。本来明るい性根の私としては珍しく、学校に行ったらどう動いたり話したりしたらいいのかさっぱり分からなくなって、一日中、教室の中でひとり黙って座っていました。私は、自分のこの状況を問題視しました。それで、必死になってこの状況を「解決しよう」「この問題をなくそう」ともがきました。結果、私の「問題」はなくなりませんでしたが、心理的に私は苦しくなりました。

 

でも、解決する以外にも、「問題」との接し方は実はもっとたくさんあります。

 

中学生の頃のクラスメイトに糖尿病の持病をもった子がいました。その子がある年、弁論大会で「病気と付き合う」という内容の題で弁論をし、自分は病気を「治そう」と考えるのではなく、どうやって付き合うかと考えることにした、と話しました。その話が感動とともに今でもとても印象に残っています。

 

「問題」と付き合う。解決しようとするのではなく、どうやって付き合おうか、と考えてみる。

 

私は数学者ですが、数学者のメインの活動のひとつは「問題を考えること」です。ちなみに、「問題を解くこと」ではありません。何か分かろうとする方向に向かって、問いを立ててみる。そしてその「問題」を毎日いろんな角度から見たり考えたりしていく。大体、この作業は長丁場で、もしかしたら、解決できない可能性もあります。それはやってみるまでは誰にも分かりません。でも、「問題」を定義して、それについて考えていくと、その過程でいろいろなことが見えたり分かったりしていくものです。その延長線上に、探していた答えが見つかることもあります。

 

数学の世界では、「問題」はすべての始まりです。これから長い間お世話になるだろう、旅のガイド。まだ見ぬ新しい世界への扉です。だから、「問題」は決して厄介なものではなく、むしろ、貴重な旅のレシピなのです。

 

「問題」は旅のガイド。「問題」とどう付き合っていきたいか。

 

私たちの日々の「問題」も、こういう目で見てみると、何かが変わるかもしれません。

 

皆さんは今どんな「問題」と一緒に生活していますか?そして、その「問題」とどんな風に付き合っていきたいですか?

 

 

おしまいにフォトレター ー と言いたいところですが、今週は全然写真を撮っていませんでした。ごめんなさい。

 

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天使の日記帳。2021年第一冊目。

 

 

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家のトイレが詰まった時。ハウスメイトによる呼びかけメッセージ。

 

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も、皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

愛を込めて、

オタワの天使。