オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

見方を変えてみると

2020年4月11日 オタワにて綴る -

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに、心から感謝します☆

 

土曜日のお昼時のオタワ。朝はたくさんの鳥たちの鳴き声がして賑やかでしたが、今はちょうどそれが終わって外は静かです。風の音と、遠くを走る車の音が聞こえます。そして時々近所の犬の吠える声。

 

皆さんのいる場所では、今はどんな音がきこえていますか?

 

カナダでコロナウイルス対策の自宅待機の要請が始まってから、ちょうど一か月が経ちました。多くのお店が閉まりましたが、今でも、ジョギングや散歩のために外に出かける人々の姿がみられます。

 

私はというと、他の6人のハウスメイトとともに、自宅待機要請のDay1から一か月間、まじめにずっと家のなかに籠って生活しています。皆外国人だし、家の中も混み合っているので、万一一人でもかかってしまったら大変なことになってしまうという危機感に支えられて、天気が良くて鳥たちの鳴き声に誘惑されても、外に出かけずに頑張っています。

 

とはいえ、以前の日記でも触れましたが、窓の外から季節が味わえたり、家の中の一日の変化がじっくり味わえたり、ハウスメイトと一緒にお話しする時間がもてたりすることは、本当にありがたいことです。外に出かけないのはとても変な感じですが(外に「出ない」わけではありませんよ!家の庭に面したパティオ、そして道路に面したポーチに時々出かけて外の空気を味わいます☆)、それでも心は満ち足りた毎日を過ごしています。

 

さて、今日のお話はそんな「おこもり生活」の中のふとした気づきからです。

 

こういう「おこもり生活」を続けると、心は満たせても、ひとつ満たせないものがあります。それは、冷蔵庫です。

 

始めの頃は、週に一回、マスクを着けて、ゴム手袋をして、帽子をかぶって、近くのスーパーに食料の買い出しに行っていましたが、この二週間というもの、コロナウイルスの状況が進行してきたので、それも行かなくなってしまいました。

 

家の中には冷蔵庫が二つあり、7人で二つの冷蔵庫をシェアしています。私が使っている冷蔵庫の棚も、みるみるうちに中身が減って、中がすっきりよく見渡せるようになりました。

 

生鮮野菜が底を尽き、毎回、食事の時に料理するものがなくなってきてしまいました。

 

そんなある日、夕食の準備をしようと、夕方ひとりキッチンへ降りていき冷蔵庫の扉を大きく開けました。私の棚も、他の子の棚もほとんど空っぽ。

 

「食べるものが何にもない」(There is nothing to eat)

 

私は言いました。とても寂しい感じです。

 

その時、私の頭の中で「それは違う」という声がきこえたので、私は

 

「食べるものが何かある」(There is something to eat)

 

と言い直しました。

 

するとどうでしょう。冷蔵庫の奥のほうに、買ったもののずっと敬遠して食べないでいたニンジンの袋が目に入りました。そして、手前には、先日煮ておいた黒豆の瓶。

 

「食べるものがある」(There are things to eat)

 

私は言いました。幸い、ニンジンは辛抱強かったようで、一か月以上放ったらかしにしていたのに、まだきれいに食べられるコンディションでした。

 

それから三日間、私はニンジンと黒豆をアレンジしておかずを作ってご飯やパスタと一緒にいただきました。おいしかったです。

 

この一人芝居のような一瞬の出来事。私の中でとても印象に残りました。

 

そういえば、以前も似たようなことがありました。昨年、外出先からダンスのレッスンに出向いた時のことです。街で買い物をしていて、時計を見たら時間がかなりぎりぎりでした。着替えをして、バスに乗って行ったら果たして間に合うのか・・・?というドキドキの状況。その時一緒にいた友人が「大丈夫?間に合う?」と心配そうに尋ねました。その時私の口をついて出た言葉がこれでした。

 

「間に合う可能性がある」

 

こんな表現、聞いたことも言ったこともありませんでした。ふつうは「間に合わない可能性がある」というところを、なんと「間に合う可能性がある」と言い換えたのです。

 

自分でもこのへんちくりんな表現にびっくり。友達と二人で大笑いしました。結果、私は奇跡的にレッスンの時間に間に合いました!

 

日常の中で、ちょっと言いまわしを変えただけで、見える世界が変わることってけっこうありませんか?深刻なこと間違いなし、と思っていた状況が滑稽な景色に色を変えたり、絶対ダメかも、という焦りの状況が「いや、できるかも」という印象に変わったり。

 

私たちの頭の中に流れている言葉のBGM。そのトーンをほんのちょっとひねってみると、不思議や不思議。まるで違う景色が見えてくる。

 

言葉の持つ魔法の力を改めて思い知った出来事でした。

 

皆さんは、最近どんな言葉の魔法を目にしましたか?

 

 

おしまいに今週のフォトレターです。

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夕方のチャイとジャガイモ

 

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待ちに待った食料品の到着

 

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

 

愛を込めて、

オタワの天使