オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

星空旅行

2020年8月16日 オタワにて綴る -

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに心から感謝します☆

 

ここのところ数日ほど、オタワは心地よい晴れ日が続いています。週の中、雨も降ったので、植物たちも疲れすぎず、生き生きと元気な様子が見られます。最高気温は30℃を下回るようになり、最低気温は16℃くらいまで下がってきました。

 

皆さん、お盆のこの週末はどこでどんな風に過ごしましたか。カナダの日付では昨日がちょうどお盆でしたが、私はふと思い立って、歩いて10分ほどの近所にある小さなアイスクリーム屋さんに夕方一人で出かけてきました。このアイスクリーム屋さん、有名ではないようですが、昔ながらの近所のアイスクリーム屋さんといった感じで、味もとてもおいしいのです。でも、それなりのお値段なので(レギュラーコーン、日本円で400円くらい?)、そんなに頻繁には手を出しません。でも、昨日はお盆ということで、「お萩の代わりにアイスクリームも悪くないか。」と散歩がてら、アイスクリームを食べに行ってきました。20分くらい並んで、大好きなミントチョコレートのアイスクリームをレギュラーコーンで頼んで、それを歩道に立ちはだかって、黙々とおいしくいただきました♡ この夏の初アイスクリーム、そしてたぶんこの夏最後のアイスクリーム。これで、悔いなく夏の終わりを迎えることができそうです。

 

さて、星空ウォッチャーの皆さんはご存じかと思いますが、今週はペルセウス流星群の観測に適した一週間ということでした。それに合わせて、11日火曜日の夜、私は他のハウスメイト4人と一緒に、ハウスメイト一人が最近買ったばかりのトヨタの車でオタワから車で約2時間のところにあるFrontenac Dark Sky Preserve (https://www.northfrontenac.com/en/open-for-business/dark-sky-preserve.aspx#)

という場所に星空観察に出かけてきました。

 

夜9時、長そで長ズボンの身支度を整え、夕ご飯を食べ、スナックとチャイと毛布を車に積み込んで、出発。高速に乗ってしばらく行き、いくつかの小さな集落を通り過ぎて進むうち、いつの間にか、道路からは電灯がなくなり、反射板だけになり、代わりに窓の向こうにたくさんの星たちが姿を現しました。ハウスメイトが二人、「怖ーい話」をして、二つ目の話の最後のクライマックス、指が一本なくなった母親の幽霊が息子を訪ねるシーンで「どうして指がないんですか?」と尋ねる息子に「それはお前がとったんじゃー!」と答える母親のセリフとともに、母親になりきったハウスメイトが座席の向こうからこっちの方に飛び込んできました。「おー!!!」とびっくり仰天して、座りなおそうとする私の下で車がちょうど曲がり角を曲がり、がったんと揺れました。そして、私たちの車は無事、目的地の星空観察の駐車場に到着したのでした。

 

Frontenac Dark Sky Preserveはまったくの平原にあり、その名の通り、あたりには明かり一つありません。車から降り立つと、私たちは数えきれないほどたくさんの星の下に立っていました。そのど真ん中には白くかすむ天の川。隣りでハウスメイトが「信じられない。こんなの見たことない」とつぶやきました。そして「これこそ、私たちの存在が単なる物理的な体以上のものだっていう証拠だよ」と力強くささやきました。

 

この日は私たちの他にもたくさんの人たちが流星群を見に来ていました。その人たちの間に混じって、草むらにスペースを見つけると、私たち5人は持ってきた毛布を2枚並べて敷き、その上に並んで横になりました。そして、さらに3枚目の毛布を上からかけて防寒・防蚊対策。

 

横になってしばらく空を見上げていてようやく私は自分の今見いているものが何だかわかってきました。よく、飛行機に乗って国を移動すると、初めのうち自分が一体どこにいるか実感が湧かない時間がありますが、それと似たような感じで、突然の変化に実感が追いつくのにしばらくの時間がかかりました。遮るものが何もない、360度パノラマの夜空。そして、雲もなく澄み渡った夜空。そして、さらに満点の星空。目の前には上から下に向かって白く天の川が流れていました。左の方を向くと北斗七星のひしゃくの形。そして右上の方を向くと、あれはたぶんオリオン座のリボンの形。寝転がったまま、首をぐるりとまわして、私は星がいっぱいの空を上から下へ、右から左へ、左から右へと見まわしました。そして、星と星の間に広がる真っ黒の空の色を見つめました。

 

そして、私たちの目の前を流れていく流れ星。さっと流れていくのもあれば、長く尾を引いて時間をかけて流れていくものもありました。そして、流星が流れるたび、草むらには歓声が起こりました。「おー!」「あー!」ー流れ星を見つけられた人も、見逃してしまった人も、とにかく声を上げていました。近くにはスペイン語を話している人も、中国語を話している人もいて、そして私たちのグループは私以外はヒンディ(私は頭の中で日本語)を話していたので、なかなか国際色の豊かな観測会でした。

 

時々、新しい人が車で到着すると、そのヘッドライトがまぶしくて、草むらからは「むーむー」というブーイングの声が聞こえたりもしました。暗黙のルールを忘れてまぶしい懐中電灯を持ったままの人がいると

「ちょっと、電気消してくれる?」

と注意の声が上がったり。

 

私たちは星空を見上げながら持ってきたポテトチップスを食べたり、魔法瓶で持ってきたチャイをいただいたり、ピクニックも楽しみました。誰かが立ち上がるとそのシルエットが星空の中に浮き上がるので「まるで宇宙にいるみたいだ!」と私は叫びました。

 

天の川を見上げながら、私は子供の頃、仲良しの友だち二人の家族と一緒にキャンプに出掛けたことを思い出していました。7歳の頃から16歳くらいまで、毎年、ちょうど八月のこの時期に近くのキャンプ場にキャンプ旅行に出かけるのが恒例行事となっていました。いつもいつも天気に恵まれたわけではありませんでしたが、その中に2回、満点の星空が見えた年がありました。一回目は9歳か10歳の時、夜に歯を磨きに何人かでキャンプ場を歩いていた時、小さな小川の上の橋を渡るところで誰かが「天の川だ!」と言いました。見上げると、空に白い筋が見えました。「天の川が見えるなんて、すごいねー」と誰かのお母さんが言いました。私は一言もしゃべらず、「これが、天の川なんだ」と感心していつまでも空を見上げていました。

 

二回目は14歳の時。夜、大人たちが皆テントに入った後、私と二人の友だちはいつまでも満点の星空を眺めていました。ずっと見ていたかったけれど、だんだん寒くなってきて、私たちもテントに戻ることにしました。一人が先に去って、私ともう一人の子が「じゃあ、おやすみ」と言ったとき、何か光るものが広い夜空を駆け抜けていきました。友達がこっちを見て「今の、流れ星だったよね?」と大きく目を見開いて興奮した表情で言いました。私は「うん」と深く頷きながら、「これが流れ星なんだ!」と興奮して何度も何度も心の中で叫びました。

 

以来、満点の星空は私の憧れかつ夢です。高校では地学部に入り、毎年夏に合宿に出かけるたびに、ひそかに「満点の星空」を楽しみに夢見るのでした。ところが、高校の時は三回とも天候に恵まれず、私はとてもがっかりしたのを覚えています。

 

そしてこの8月。私は再び、満点の星空と出会うことができました。なかなか出会えない割には、なんだかずっと見ていたような気がするから不思議です。

 

深夜12時を回ったあたりで、足元の方に強い黄色の光が差し込み、なかなか消えないので、私は「いったいどこの誰がいつまでもヘッドライトをつけっぱなしにしているんだろう?」と体を起こして光の源の方を見やりました。そして見えたものは -

 

月でした。

 

地平線に昇ったばかりの、真っ黄色の半月があたりを煌々と照らし出していました。

 

ちょうど地面に座った私の目の高さのところに月が見えて、まるでこのままこの草むらを歩き続けたら月に辿り着きそうな感じがしました。

 

「まるで宇宙旅行をしているみたいだ」

 

360度ぐるりと囲む星空と、草むらの向こうに見える黄色い半月を見つめながら、私は本当にそう感じました。

 

しばらくして、月の光が強くなると、だんだんと星たちが見えなくなっていきました。私たちは1時半頃、静かにこの星たちの世界に別れを告げ、車に乗り込むとゆっくりと家路に着きました。

 

 

おしまいに今週のフォトレターです。

 

 

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満点の星空 (写真はNorth Frontenac Township Dark Sky Preserve FB より)

 

 

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誕生日のパーティ

木曜日はハウスメイト一人の誕生日でした。夜に家の皆とそれぞれの友だちが集まって、小さなハウスパーティが開かれました。

 

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夏を楽しむ二人

 

 

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も、皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

 

愛を込めて、

オタワの天使