オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

ホーリー祭

2020年3月14日 オタワにて綴る -

 

土曜日の夜、天使のお家の小部屋にてジャズを聴きながら。

今日は、外はまぶしいほど美しい小春日和の一日でした。雲一つない青空、力強い日の光、さまざまな鳥たちの色とりどりの鳴き声、吹き渡るひんやりとした冬の風、その風にあたってからからと揺れる木々たち。冬と春が一緒にいるのを目にするのは、とても特別な感じがします。早く終わってほしいと思うことも多々あった長かりし冬ですが、いざその力が弱くなっていくのを見ると、突然名残惜しい気持ちが湧いてくるから不思議です。

皆さんは、今日はどこでどんな一日をお過ごしですか?

 

今週の火曜日3月10日はインドのホーリー祭というお祭りの日でした。皆さんは、このお祭りについてきいたことはありますか?

 

そもそもこの日記は「オタワ日記」という題なのに、なぜ突然インドの話題なのかと思いましたか?

 

実は、私にはインド出身のハウスメイトたちが六人もいます。かれこれこの半年以上、このメンバーで一つ屋根の下、生活を一緒にしています。そのうちの三人とはもう一年以上のハウスメイトなので、お互いに気心も知れた、とても大切な仲間たちです。

 

私は今回オタワに来るまではあまりインドの出身の方と出会ったことはなく、インドははるか遠い国の一つでしたが、オタワに到着してからというもの、一番最初に友だちになったのがインド出身の女の子、そしてそこから今のハウスメイトたちと出会ったりと、ご縁が重なりました。それでいろいろな話をしたり、料理を同じ台所でしたり、彼らの生活の様子を隣で眺めたりするうち、私もインドの生活を身近に感じるようになりました。

 

インドには年間を通してお祭りがたくさんあります。主に、私が耳にするお祭りはヒンドゥー教に由来するものですが、それだけでも、どうやらたくさんあるようです。ひと月おきくらいに、「今日は〇〇のお祭りだった」というような話をハウスメイトからききます。

 

その中でも、ホーリー祭というのは、とても楽しいお祭りなのだそうです。なんでも、ホーリー祭は「色のお祭り」なのだそう。インドでは毎年、この日は、街中の人たちが外に出て、知っている人知らない人だれかれ構わず、お互いにカラフルなインクの詰まった水鉄砲を打ち合ったり、ペイントを投げ合ったりするんだって。

 

ハウスメイトの一人は、「ホーリー祭の次の日、職場に行ったら誰も私のことに気づかなかった。スターウォーズのキャラクターみたいと言われた」と私に話しました。「え?それって一体・・・?」とキョトンとする私に向かってその子はさらに「色を顔から落とすのに一週間はかかった」と言いました。ちょっとあまりにも想像を超えていて、私にはその意味がいまいちピンときませんでした。

 

さて、夜になって、一回のリビングから「 Happy Holi!!(ホーリー祭おめでとう!)」という歓声がきこえて、私も下へと呼ばれました。そして、皆から、顔に黄色いターメリックのペーストを塗りたくられました。皆で真っ黄色の顔で食事をしながら、テレビ画面に現地のホーリー祭の様子のYouTubeビデオを出して、このお祭りが一体どんなものかを私のために見せてくれました。(ちなみに、今年はコロナウイルスの影響でこのホーリー祭のイベントは中止されたそうです。)

 

その様子は - はるかに私の想像を超えていました!!

 

街中の人が文字通り、カラーペイストの入った袋や水鉄砲を持ち歩いて、「攻撃しあっている」という印象でした。子供からお年寄りまで、色を投げ合っていました。横からも上からもペイントは飛んできて、まさに逃げようはないといった感じでした。一日の終わりには、皆、身体全体が色とりどりになっていて、確かにスターウォーズに出てきそうな感じでした。

 

これなら、色をとるのに一週間かかるのも納得だと思いました。

 

さて、この夜の会合が終わって、皆それぞれ顔を洗い、それぞれの部屋へ戻って就寝。

 

と、それから間もなく、夜遅くまでバイトに行っていたハウスメイトの子が帰ってきて玄関のドアを閉める音が聞こえました。ここまではいつもの感じでしたが、どうやら、その子の階段を上る足音が興奮に満ちているような気がしたのは、私の気のせいか・・・

 

ダッシュで階段を駆け上り、そしてまた駆け下りる音。

 

下の階で眠っているはずの子たちのドアをノックする音、ドアの開く音、そしてものすごい叫び声。それから一階をドタバタと駆け回る音。

 

また猛ダッシュで階段を駆け上る音。

 

隣の部屋の子の名前を呼んでドアをノックする音、ドアの開く音、そして叫び声!

そして、また次のドアでも同じ類の悲鳴が!

 

一番最後に家に帰ってきたハウスメイトはバイト先のウォールマートで子供用のカラーインクを買ってきて、それで友だちを一人ずつ「襲って」いたのでした!

 

ちなみに、私はインド出身じゃないことと、就寝時間が早いことで有名だったので、このサプライズ攻撃はなんと免れました。

 

そのあと30分くらいは一階でものすごいドタバタ騒ぎが続きました。でも、皆、とても楽しそうな様子が二階で一人寝たふりをする私にも伝わってきました。

 

その騒ぎの音を聞きながら、私はふと、「こんな風に礼儀を忘れて一緒に楽しむお祭りがあるとは、いい文化だな」と思いました。

 

私は日本のお祭りが大好きですが、それでも、日本の場合だと、ここまで人と人との境界線をなくして、礼儀を取っ払って楽しむというのはなかなかないかな、と思います。私にとって、ちょっとまぶしい、真夜中のホーリー祭の出来事でした。

 

 

さて、ホーリー祭の様子は皆さんのご想像にお任せするとして、今日のフォトレターはオタワの小春日和からです。

 

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オタワの小春日和

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まだ残る木々のクリスマスの飾り

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

 

今日も皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

愛を込めて、

オタワの天使