オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

残るもの、残らないもの

2020年4月18日 オタワにて綴る -

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに、心から感謝します☆

 

今週は、オタワは実に様々の天気が訪れた1週間でした。雨が降った日、一日中風が吹き荒れた日、雪が降った日、そして美しく晴れ渡った日。天使の小窓からは、毎日違う外の様子が見られ、また肌で感じられ、私は窓のところに座りながら、まるで船に乗ってどこかを冒険しているような気持ちを味わいました。今日も、外のお庭では、鳥たちやリスたちが元気に活動しています。そして、木々の枝にはまだ葉はないものの、輪郭がぼこぼこしてきました。新芽がもうすぐ顔を出します!

 

皆さんは、今日はどこでどんな一日を迎えていますか。

 

春の訪れを前に、最近、ふと少し前の冬の終わりのある日の出来事を思い出しました。何か心に響くものがあったので、それをここに書いてみたいと思います。

 

二月の中旬から後半にかけて冬も終わりに差し掛かると、オタワの気候は日々激しく変動するようになります。今日は零下15度だったと思ったら、次の日はいきなり零度前後まで気温が上がったり。と思ったら、また零下20度くらいまで冷え込んだり。寒い日に雪がたくさん降って積もった後、気温が上がると、それが解けます。それが夜の間にまた凍って、翌日の朝には氷となります。凍ったばかりの道も歩くのはかなり困難ですが、いちばん厄介なのが、道が氷だらけになった後に気温がまた上がった時です。

 

大量の氷が半分解け、大きな水たまりをあちらこちらに作りますが、全部解けるわけではないので、道の半分はまだその解けかかったツルツルの氷で覆われています。こういうコンディションの日は、外を歩くのはかなりのスキルと忍耐を要します。深い水たまりを慎重に避けながら、氷の上を滑らないように、ペンギンのようによちよち歩くのですが、どうしても、一度や二度は水たまりにはまってしまったり、それを避けようとして氷に足をとられて滑ってしまいます。そして、もちろん、時たま水しぶきを上げて通り過ぎる車からも身を守らなければなりません。かなり神経を使って休み休み歩くので、普段なら20分で着くところも40分かかってしまうこともしばしばです。

 

「道を歩いていて、私はある重大な決断を迫られた。こっち側のこの深い水たまりに足を踏み入れるか、それとも、あっち側のツルツルの氷の上を歩くか。」

 

ある友だちが教えてくれたこんなジョークがあるほどです。

 

さて、そんな二月のある朝のことです。私は凍った道の上をペンギン歩きをしながらいつものコーヒーショップに向かっていました。水たまりを避け、氷の上を一歩ずつ進みながら、私は

 

「イライラしないためには、いったいどんな心持ちで歩いたらいいだろう?」

 

と真剣に考えていました。いつもどうしても忍耐が足りず、氷に腹を立てたり、自分にイライラして惨めな気分を味わうことにうんざりしていたので、少しでも賢くこの状況に対応するにはどうしたらいいか私なりに作戦を練っていたのです。

 

まず、時間のことは気にしない。そして、一度にたくさん歩こうとしないこと。いつも次の一歩のことだけを考える。それから、車が水しぶきを上げても気にしないこと。コートが濡れても仕方がないと思うべし。

 

と、いろいろと考えた後、私はふと3か月後の夏のことを想像しました。その頃には雪も氷も跡形もなくなり、木々には緑があふれ、乾燥した道路の上をジョギングしたり自転車で通り過ぎる人々の姿が目に浮かびました。

 

途端に、今自分が目の前の氷の問題で頭をいっぱいにしていることがとても奇妙に感じられました。

 

「ちょっと待てよ。今私が全神経を集中して頭を悩ませているこの氷は、三か月後にはなくなっているんだ。」

 

しかも、その頃には、私自身、この氷の悩みのことなどすっかり忘れていることでしょう。次の冬が来て、また氷が私の足をすくうまでは。

 

なのに、今この瞬間は、この氷の道を安全に切り抜けることが確かに大問題なのです。たとえば、もし、転んで怪我をしたとしたら、その怪我は、この氷がなくなっても私の体に残るかもしれません。そうならないために、私は一歩一歩慎重に、神経をすり減らしながら、歩きます。

 

そしてまた、氷の道を歩く中で、私が何か新しい学びを得たとしたら、その学びは氷が消えて夏になっても私の中に役立つ知恵として残るでしょう。

 

残るものと、残らないもの。

 

四月半ばの今日。地面には雪のかけらも見当たりません。氷と水たまりの道で頭を悩ませる季節は終わりました。でも、あの日、私を訪れた気づきは今でもしっかりと私の中に残っています。

 

今はコロナウイルス対策で毎日家の中で過ごす日々ですが、この日常もいつか終わる日がやってきます。私も、私のハウスメイトもそれぞれ、また外へ出かける忙しい生活に戻っていくのでしょう。その頃には、「毎日家の中で過ごしていたなんて信じられない!」と思ったり、その中で味わったかもしれない退屈間や閉塞感のこともきれいに忘れ去っているかもしれません。

 

でも、残るものもあります。家の窓からじっくり味わった春の訪れの喜び、そして、家の中でハウスメイトと交わしたお話の数々。それから、この非日常を通して深めたハウスメイトや友人たちとの繋がり。これらは、これから先の日々、私の糧になる貴重な「残るもの」たちです。

 

残るもの、残らないもの。

 

皆さんの今日一日の出会いの中で、過ぎ去っていくもの、残っていくものは何ですか?

 

最後にフォトレターです。

 

 

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雪の日

週末にお寿司を作りました。ベジタリアンの巻きずしです。

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お寿司を巻く職人の手

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お寿司とお味噌汁

今週は天使の誕生日がありました。

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誕生日プレゼント

私が一歳の時から飼っている「愛犬」、この冬、ハウスメイトの一人にお供して一緒にインドに行ってきました。とても楽しかったようで、家に帰ってきても、まだ私のところには帰ってきません。ハウスメイトの子の部屋で休んでいるのを見つけました。

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ハウスメイトの部屋で休む愛犬

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

 

愛を込めて、

オタワの天使