オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

匂いの記憶

2020年4月25日 オタワにて綴る -

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに、心から感謝します☆

 

土曜日の昼下がり。今日はオタワはとてもいい天気です。風もあまりなく、お日さまに当たっていると、ぽかぽかと気持ちの良い春の陽気です。

 

ちょうど今、外の庭ではハウスメイトの何人かが集まって、手作りのバットと持ち合わせのボールでクリケットをして遊んでいます。その楽しい声が、開け放った天使の小窓から聞こえてきて、時折、大きな歓声が上がると私も窓の外に目をやって様子を見ます。

 

イギリス生まれのスポーツ、クリケットは日本ではあまり馴染みがありませんが、インドではとても盛んなようで、子供たちにとっては学校でも近所の道端でも定番の遊びのひとつなんだそうです。去年は、クリケットの世界マッチがあるというと、皆でテレビの前に座って、かなり熱烈にインドチームを応援していました。ここのところ、自宅待機で家にいる時間が長いのと、外の気候が良くなってきたのとにインスピレーションを得て、ちょうど家の外に転がっていた良いサイズの木材を使って手作りのクリケットをしようという話が上がりました。それが今日ついに実現したところです。

 

でも、たった一つのボールがどうやらお隣さんのお庭に飛んで行ってしまったよう・・・。

 

どうなることやら、窓のこちら側から様子を見守っています。

 

皆さんは、今日はどこでどんな一日を迎えていますか?身の回りには、週末を感じさせるどんなものがありますか?

 

 

今週、私はしばらくずっと胸に温めていた計画をついに実行しました。それは -

 

外の庭でエクササイズをすることです。

 

コロナウイルスの対策で家にいるようになってからというもの、私はずっと外にちゃんと出ていませんでした。何より、「歩く」「思いっきり体を動かす」ということをしていませんでした。普段は、どこへ行くにもなるべく歩くことを好んでいた私にとっては、実はこれはとても大きな変化でしたが、いざ、時間をわざわざ作ってエクササイズをするとなると、なかなか腰が重く、実行に移せていませんでした。

 

今週は意を決して、夕方4時頃、仕事時間の後に、台所の裏のパティオから外に出て、まずそこに座ってみることにしました。折り畳みの椅子を持ち出して、庭に向き合って座っていると、実にいろいろな音が聞こえてきます。リスやチップモンクたちの駆け回る音、あちこちで鳥の鳴く声、木の枝の折れる音、木の上の巣で鳥が何やら作業をしている音 -。

 

そこは家の中にいるのとはまったく違う時間の流れです。ある日はなんと、今年初の野ウサギにお目にかかりました。庭の奥のほうからカサコソという音が聞こえ、そちらを見ると、茶色い野ウサギが落ち葉の上をこちらに向かって歩いてくるところでした。しきりに落ち葉の中に顔をつっこみつっこみ、何かを食べているようでした。とても艶やかな毛並みが夕方の日の光の中で金色に輝き、時折顔を上げると、その姿はまるでピーターラビットが絵本の中からそのまま出てきたよう。私は見入ってしまいました。

 

ウサギは用心深いと聞いていたので、私はパティオに座りながら、なるべく動かないで静かにしています。するとウサギはずいぶんと長いこと、落ち葉の下から何かを食べていました。と、近くの背の高い木の上から木の枝の折れる鋭い音がきこえ、私は思わず、大きく体をそちらの方へ向けました。ウサギは食べるのをやめ、後ろ足で立ち上がると、こちらの方を向いたまま、動きを止めました。そのまま長い時間が経ちました。

 

やがて私はエクササイズをするために、立ち上がり、パティオを降りて駐車場の方へ歩いていきました。ウサギを驚かせたくなかったので、通り過ぎるときは敢えて全然関係ない方を向いてゆっくり静かに歩きました。ウサギは毛一本動かさず、立ち姿のポーズのままじっと何かに耳を澄ませているようでした。

 

私は普段練習していたダンスの動きをいくつかエクササイズとして行いました。上半身を動かさずに足だけ後ろや前に動かすエクササイズ、回転の練習、回転しながら移動するステップの練習などなど。まわりに誰もいないので、いつの間にか自分の世界に入り込んで、体を動かすことに夢中になっていました。

 

夕方の日の光。土の匂い。風の匂い。動物たちの鳴き声。

 

私は突然、子供の頃の感覚をありありと体の中に思い出しました。近所の遊び場で、あるいは家の前の道路で、あるいは遊びに行った先の祖母の家の畑の近くで。一人っきりで、思いっきり自分の世界に浸り、体を思いっきり動かして外の自然とつながる感覚。

 

感覚を思い出しただけではなく、周りの世界がその時の目を通して見えるようでした。この上なく自由で、世界が私を見ているのではなく、私こそがこの世界を見ている、という、どこまでも広がっていく生き生きとしたあの感覚。

 

いったい何年ぶりに思い出した感覚だったでしょう。

 

でもそれは確かに私の良く知った、馴染み深い感覚でした。「これは、私だ。これが、私だ。」私は一人ニンマリと笑うと、再び、ダンスの練習に励みました。そう、昔も、一人大真面目に私のその時考えた「ダンス」を練習したものでした。外の誰にも気づかれずに、自分の見渡す世界の中心に自分を置いて、いろいろな動きをし、いろいろな言葉を語り、いろいろなものを心ゆくまで見たものでした。

 

野ウサギは私がダンスの練習を終えてもまださっきの場所にいました。人間の時間にして約30分。そんなに長い時間、同じ場所にいるのか!と思いそうですが、しばらく外の時間を共有した私の目にはまったくもって普通のこととして映りました。ウサギも30分同じ場所にいる。私も、30分同じ場所でじっとしていることもある。そういうこと。

 

庭でのエクササイズは順調に続いています。私を異世界へと誘ってくれるお庭 -。体を動かすだけではなく、何か冒険を求めて庭に出る毎日です。

 

クリケットのボール、お隣さんが庭に出てきたときに拾ってハウスメイトに渡してくれました。よかった。クリケットの試合がひと段落して、皆ランチタイムを迎えているようです。

 

最後に、今週の(ミニ)フォトレターです。

 

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美しいオレンジマフィン

一年半ほど前に、思い付きでマフィンを作るようになりました。これが家の中で思いがけず好評で、リクエストを受けるようになりました。最近は、私のもう一つの定番スナックのポップコーンとともに、特に頻繁に作っています。「天使は私たちのことを甘やかしてるよ!」と言うハウスメイトに「それが好きなの。」と答える私。「甘やかすのが好きなの?!」「作るのと、甘やかすのと、両方♡」本当です☆

 

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開け放たれた天使の小窓

 

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

愛を込めて、

オタワの天使