オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

夏よさらば。ヒューロン湖畔にて。

 

2020年10月4日 オタワにて綴る -

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに心から感謝します☆

 

秋分の日を過ぎ、10月に入りました。皆様のお住いの場所ではどんな季節の変化が感じられますでしょうか。オタワの天使の小窓からは、これを書いている瞬間にも、黄色に色づいた木の葉が一つ、また一つ、ひらひらと宙を舞って窓の外を過ぎていきます。とても静かで、さりげなく、まるで私たち人間や動物たちに気づかれないようにそうっと散っているような感じがします。庭ではリスたちが走り回って、食べ物集めに精を出しているようです。植物たちも、動物たちも、人間たちも、いよいよ冬支度ですね。

 

さて、秋分の日の週末、日曜日から月曜日にかけて、私はハウスメイトと、ハウスメイト一人の以前のハウスメイトたちとともに、ヒューロン湖にある、ブルース半島(Bruce Peninsula)というところに一泊二日でキャンプ旅行に行ってきました。

 

皆さん、ヒューロン湖ときいてピンときますか?これは、かの有名な五大湖のひとつ、東から数えて三つ目、ちょうど真ん中に位置する湖です。地図がお手元にある方はぜひ見つけてみてください。五大湖はカナダとアメリカの自然国境をなしていて、対岸はアメリカです。とはいえ、湖がまるで海のように巨大なので、人の目では対岸は見えないことがほとんどですが。トロントがあるのがオンタリオ湖畔、そして皆さんもご存じの有名なナイアガラの滝はちょうどオンタリオ湖と、その隣のエリー湖の結び目にあります。エリー湖のそのまた隣にあるのが、今回私たちが行ったヒューロン湖です。

 

ブルース半島国立公園(Bruce Peninsula National Park)はオタワから車で約8時間かかる場所にあります。そんな遠くに行くからには2泊しようという声もあったのですが、私を含め、数人の参加者がすでに仕事の予定が入ってしまっていたのと、私たちはキャンプは初心者だったので、この二つの理由から今回は一泊のキャンプ旅行となりました。

 

目的地での時間を最大にするため、私たちは夜中の2時にオタワを出発しました。夜間ドライブの旅です!

 

出発前の金曜日、私はいつもの大学の友人と川辺で会ったときに、その旅行の計画と、夜に出発する旨を告げると、彼女はとても心配して、自身が以前家族で早朝車の旅をした時に遭遇した事故の話を事細かに話して、それを避けるためにできることをリストにして伝えてくれました。特に大事な点は、同乗者の最低一人は常に起きて話をすること、活発な音楽をかけること、スナックを用意すること、こまめに休憩をとることでした。

 

この話を受けて、私は旅の間眠らなくてもいいように、出発の日の午後、長めのお昼寝をしました。一緒に行くハウスメイトの一人にも

「というわけで、私は眠らないことにするから!」

と宣言。

 

いよいよ出発の時間がやってきて、今回は家に残ることを選んだハウスメイト二人に見送られながら、私たちは荷物がパンパンに積み込まれた車二台で出発!いつものように高速で出発して、運送トラックに囲まれながら、私たちはずんずんと南西へ進路を切ってゆきました。

 

午前3時過ぎ、私は両腕両足に寝袋の丸い袋を抱えながら、目が閉じていくのを感じました。何度も目を開けようとしても、その努力も空しく、私は車の中のもう一人の子とともに眠りの世界へと落ちてゆきました。車2台の旅行だったので、割と頻繁に運転手どうし電話をかけあい(ハンドフリーの電話)笑い話を交わしたり、休憩の予定を話し合ったりしているのが眠りの合間にきこえ、私は意識が飛びながらも「この人たち、眠気も感じさせずすごいなあ」と感服しました。結局、運転手のほかに、二人、まったく寝ずに夜を過ごしました!いつも9時半に就寝している私にはとても真似のできないことだと、これまた深く感服しました。

 

午前5時半、私はいつもの起床時間になって、目がパチリと開くのを感じました。外はまだ真っ暗で、ちょうど車が休憩の場所に寄ったところでした。それはあたりに何にもない場所にある、ガソリンスタンド兼お店(日本のコンビニのような感じ)で、中には人がたった一人で勤務していました。ハウスメイトが「たぶんインドの人だ」と口をそろえて言いました。話さなくても、自分と同じ国から来た相手は直感でわかるものですが、きっとそれだったんだろうなと思います。トイレをお借りして、ポテトチップスを口に入れて、再び出発。

 

ほどなくして、私たちはたくさんの車に囲まれました。トロント圏に突入したのです!視界に明るい大都市が入ってきて、午前6時頃、私たちはトロントのあたりを通過しました。まだ夜明け前の暗闇の中、高速から見る大都市の様子はなんだか神秘的でした。

 

午前7時。私たちは都会エリアを過ぎ、再び道路は落ち着きを取り戻しました。でも、何かが新しい感じがして、外を見やると、いつの間にか、風景が一転していました。昇る朝日に照らされて浮かび上がってきたのは -

 

広大な畑と、背の低い木々たちが風に吹かれる様子。そこは丘陵地帯で、道路は何度も上がったり下がったりを繰り返しました。私は体の奥がワクワクするのを感じました。

「いよいよ、ヒューロン湖一帯に突入したんだ!?」

 

金色の朝日が私たちの車の中にも到達し、私たちは目の前に広がる新しい景色に見とれながら、しばし沈黙して外をじっと見つめていました。

 

それからさらに3時間後、私たちはとうとう目的地に到着しました。その場所の名はブルース・トレイル(Bruce Trail)で、その駐車スペースを探しているとき、目の前に木々の間から湖が姿を現しました!ヒューロン湖です!!

「湖が見えるよ!」

私は皆に向かって叫びました。

 

その日、私たちはヒューロン湖ジョージア湾(Georgean Bay)を二つの視点から拝みました。一つ目は、ブルーストレイルを約1時間ハイキングしたところの、岸壁の上から。森の中をずーっとごつごつの岩道を歩いていくと、突然、何の前触れもなく、木々の間に美しいエメラルド色がガラスのように広がり、さらに進んでいくと、木々が途切れ、岸壁の上から眼下に見えたのは、どこまでもどこまでも広がる澄み渡った美しいガラスのような湖の水面でした。

 

それから私たちは元来た道を戻り、今度は岸壁の下にあるきれいなビーチ(砂浜ではなく、白い石のビーチ)へと向かいました。今度は青い水が地平線のかなたまでずっと続いていました!

 

私は靴下を脱ぎ、裸足になって水の中に立ってみました。なんて冷たい水でしょう!そして、なんて綺麗に澄んだ水でしょう!

 

冷たかったのでずっと浸かってられないと思ったのですが、ハウスメイトが一人後から水に入って、

「しばらく浸かっていると大丈夫になるよ!」

と言ったので、私も頑張ってしばらく我慢して水の中に立っていました。すると、しばらくして刺すような冷たさは去り、私は水の感覚を楽しむことができました。ハウスメイトと二人、肩を組んで立って、水平線を見つめながら、私は

「まるで空を飛んでいるみたいだ!」

と、興奮して何度も叫びました。

 

夜ご飯はキャンプ場でテントの横でバーベキューを楽しみました。インド式のパニール・ティッカ(Paneer Tikka)というベジタリアンのバーベキューでパニールというチーズと野菜を串に刺して焼くものです。いやー、おいしかったです!私はデザートに、昔子供の頃にキャンプで友だちとよく作った「チョコマシュマロ」(マシュマロを火にあぶって、チョコレートと一緒にクラッカーに挟んで食べる)を作りました。かなりの大好評で、皆から次回の予約もいただきました!

 

その夜は、雲一つなく、空は満点の星空でした。皆で食後、キャンプ場にあった小さな湖に歩いていき、そこでしばらく夜の星空を見て過ごしました。夜空が水面に映り込んで、まるで空の中にいるような気がしました。テントへの帰り道、頭上に北斗七星がまるで降ってきそうなくらい大きく見えて、私はそのあまりの臨場感に思わず転びそうになりました。

 

二日目、私たちは、朝にキャンプ場から近くにあったグロットー(Grotto)という有名なスポットからヒューロン湖を拝んだ後、午後には車でトバモリー(Tobermory)という場所に移動して、そこからクルーズ船でフラワーポット島(Flowerpot Island)という島へ向かいました。行きは約45分の旅で、近くにあった他の島もいろいろと紹介しながら進んでくれました。

 

さて、目的地のフラワーポット島に到着する直前、船のアナウンスで、この島の名前の由来が説明されました。

「右手の岩をご覧ください。フラワーポットの形です。」

確かに、驚くべき程、どこから見てもフラワーポット(植木鉢)の形をしていました。大きいのと小さいのと一つずつ、合わせて二つのフラワーポットを確認しました。

 

船着場に着くと、私たちは歩いて、そのフラワーポットの岩へと向かいました。近くに行くと、その岩の迫力がすごくて、とても「フラワーポット」という可愛い感じではありませんでしたが!

 

フラワーポットの斜め下に大きな岩を見つけて、私たちはその岩の上に座ることにしました。そこまで来ると、今度はフラワーポットよりも、目の前に広がる湖の迫力がすごかったです。フラワーポットに見守られながら、私たちはしばらく、その岩の上で足をぶらぶらさせながら、水面を見つめて時間を過ごしました。

「まるで空を飛んでいるみたい!!」

私はまた何度も叫びました。私は体全体に溢れる自由な感覚を噛み締めていました。

 

夕方、クルーズ船でトバモリーに戻ると、私たちはゆっくりと帰路に着きました。こうして、私たちの、短くとも充実した美しいヒューロン湖旅行は無事に幕を閉じたのでした。

 

エピローグ

帰り道、私たちはトロント郊外のブランプトン(Brampton)でインドレストランに立ち寄り、この旅を締めくくる食事をいただきました。なんと、夜遅くで他にお客さんがあまりいなかったので、私たちだけで一部屋まるまる占領させてくれました!ラッキー☆

そこからオタワまでの帰り道、車の座席の配置替えがあり、私はもう一方の車に乗せてもらうことになりました。この車の運転手さんはとても運転が上手なのですが早いスピードが好きなので、スピードが苦手な私は冷や冷やして車に乗り込みました。案の定、ものすごいスピードで高速を突っ走り、今度は私は一睡もしないで家まで辿り着きました。私の目は終始、道路の車線を分ける白線を追い続けていました。後から聞いたところ、なんと150キロで走っていたとか・・・。あとで「ちょっと怖かった」と言ったら、「なんだ、そんなことならそう言ってよ。もっとゆっくりにしたのに。」と言ってくれましたが、夜遅くに運転するのに自分のペースで運転することは大事だと思うので、仮にオプションがあっても私はやっぱり言わなかったと思います。

とにかく、無事に旅を終えることができて感謝です。

 

 

おしまいに今週のフォトレターです。

 

f:id:MapleSummerhouse:20201005031210j:plain

岸壁の上より見るヒューロン湖 (写真は旅の友撮影)

 

f:id:MapleSummerhouse:20201005031340j:plain

白い石の砂浜より見るヒューロン湖 (写真は旅の友撮影)

 

f:id:MapleSummerhouse:20201005031038j:plain

日の入り。キャンプ場のCyprus湖にて。

 

f:id:MapleSummerhouse:20201005031540j:plain

パニール・ティッカ (写真は旅の友撮影)

 

 

f:id:MapleSummerhouse:20201005030717j:plain

美しい水の色、Grottoにて。

 

f:id:MapleSummerhouse:20201005030952j:plain

自由を楽しむ足。Grottoにて。

 

f:id:MapleSummerhouse:20201005030524j:plain

フラワーポットの岩、遠くより。

 

f:id:MapleSummerhouse:20201005030618j:plain

フラワーポットの岩、近景。

 

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も、皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

 

愛を込めて、

オタワの天使