オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

週末の楽しみ

2020年3月7日 オタワにて綴る -

 

土曜日の朝。今日は外は澄み渡る青空、窓の外からは静かな鳥のさえずりが聞こえてきます。昨日は雪が降ったので、家々の屋根に積もる白い雪が日の光に当たってきらきら輝いてとてもきれいです。気温はまだ氷点下の日が多いですが、日に日に日が長くなって、日射しも強くなって、ここオタワでも春の訪れがはっきりと感じられるようになってきました。

 

皆さんは、この週末いかがお過ごしですか。

 

オタワの西の方に、ウエストボロ(Westboro)というコミュニティがあります。ここは国会議事堂からバスのルート11番「リンカンフィールド行き」に乗って約40分ほどのところにある地域で、お洒落なローカルショップがたくさん立ち並ぶ昔ながらの住宅エリアです。先日道を歩いていた際に「旧町役場」と書かれた古っぽい建物を見つけたので、昔はここはオタワ市とは別のコミュニティだったのかもしれません。

 

メインのリッチモンド(Richmond)通りにはたくさんのお洒落なカフェが並んでいますが、その中に、私が週末よくお世話になるとても素敵なフレンチベーカリー「Chez François(フランソワとともに)」があります。今日のお話は私の愛するこのフレンチベーカリーからです。

 

週末のとっておきの楽しみ。皆さんにとって、週末だけの特別な楽しみは何ですか?

 

私の週末の楽しみは - おいしいコーヒーとお菓子をいただきながら、一週間を振り返って日記を書くことです☆

 

そして、この特別時間を過ごすのにぴったりの場所が、このフレンチベーカリー、「Chez François 」なのです。

 

以前、私は週の中も週末もまったく変わり映えのない生活を送っていたのですが、ちょうど一年半前の夏の終わりに、ふと、これじゃつまらない、どこか新しい場所に行ってみようと思い立ったことがありました。ちょうどその時、知人がウエストボロに素敵なフレンチベーカリーがあるよ、と話していたのを思い出して、どれだかは分かりませんでしたが、インターネットで調べて、いちばん素敵そうなお店を探し当てて行ったのが、「Chez François 」でした。これぞ、運命の出会いです。以来、私はこのお店の熱いファンとなり、一年半、心変わりすることなく、通い続けています。

 

「Chez François 」は女将さんと旦那さんとスタッフ数名が営むこじんまりとしたフレンチベーカリー兼レストラン兼フランス始めヨーロッパ各地の品物ブティックです。

 

このお店には、特別な点が数えきれないほどありますが、私にとってのこのお店のいちばんの魅力は、お店の中に流れる、ちょっと昔ながらでとても人間的であたたかい空気でしょうか。

 

スタッフの方は常連客のことは名前で覚えていて、お店を入ると「〇〇さん、いらっしゃい」という感じで迎えてくれます。

 

席は自分で選んで良くて、私はいつも窓辺のお気に入りの席に陣取ります。

 

このお店の特別な点その2は、その1ともかぶりますが、今の時代には珍しく、まったく形式ばっていないことです。

 

以前、私がお店にいくと、女将さん、旦那さんとスタッフの一人が何か仕事のやり方をめぐって、かなり真剣に対話していたことがありました。けっこう白熱したやりとりが続いていて、私が席についても、だれも私には気づきもしないようでした。というわけで、私はコーヒーもなにもなかったですが、一人日記帳をひらいて、書き物を始めました。

 

約一時間後、そろそろコーヒーがほしいなあ、と思い出したころに、ようやく、対話がひと段落したようで、スタッフの方がいそいそと私のところにやってきました。「やあ、まだ注文もとってなかったっけ、僕?だめだねぇ、ごめんごめん」と言って、私が「いつもの」と伝えると、すぐにコーヒーとパンを持ってきてくれました。

さすがに、こんなことはこれ一度きりしか遭遇しませんでしたが、実は、この日、私は密かにこのお店への愛を新たにしたのでした。毎回、行くたびに違うお店模様があることで、私も、いつも同じじゃなくていいというか、その日その日のコンディションがあって自然でいいんだということを実感させてくれる、「Chez François」はそんな場所です。

 

また、こんなこともありました。

 

ある日、私が3時間ほどの日記セッションを終えてお会計しに行くと、「今日の分はもう誰かが払ってくれたよ」と言われました。「え?冗談はよしてよ、いくら?」とききかえすと、「本当だってば。あなたの後ろに座っていたご婦人が今日は良いことをしたい気分だから、誰かにご馳走したいって言って、あなたの分を支払って帰っていたよ。だから、今日の分はもう済んでいるよ」と。これには、本当にびっくりしました。なんて素敵なギフトなんだろう。顔も知らない誰かからこうしてご馳走していただくなんて!とても心が温まると同時に、とても謙虚な気持ちになりました。忘れられない贈り物です。

 

お店の中に流れるひと昔前のフランスの歌唱曲。

お店全体をまるで森のように張り巡らすヨーロッパからの個性豊かな品物の数々。

そしてそのところどころに用意された、テーブル席。

そこに座って静かに会話を楽しむ人々の声。

おいしい食事とパンの匂い。

 

私はこのフレンチベーカリー「Chez François 」が大好きです。

 

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素敵なフレンチベーカリー、Chez François

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ヨーロッパからやってきた個性豊かな品物たち

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おいしいコーヒーとパンを頂きながら

 

 

皆さんも、オタワ来訪の際はぜひこの素敵なお店で心豊かな時間をお過ごしください。

 

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

愛を込めて、

オタワの天使