カナダの感謝祭
2020年10月12日 オタワにて綴る ー
皆さんこんにちは、オタワの天使です♪
今日、この日記を訪ねてくださったことに心から感謝します☆
10月の二週目、皆様いかがお過ごしですか。
本日10月12日月曜日は、感謝祭(Thanksgiving Day)という国の祝日でした。「感謝祭」という言葉、皆さんもきっとどこかで耳にしたことがありますか?
感謝祭は昔ヨーロッパから船でアメリカ大陸に渡った人々が始めた秋の収穫祭がはじまりで、現在ではアメリカとカナダ両国で毎年祝われる、国の祝日です。同じ「感謝祭」という名前ですが、アメリカとカナダの感謝祭の祝日は実は違う時期にあります。今年だと、カナダは10月12日が感謝祭、アメリカは11月26日が感謝祭で、なんと1か月以上離れています。両国の感謝祭を区別するために、カナダの感謝祭は Canadian Thanksgiving Day と呼ばれることも多いようです。
その感謝祭の今日は朝からとても静かな一日でした。祝日のせいか、私の家の前を通る大通りでも車の数が少なく、窓の外からはいつにも増して、自然の音がよく聞こえてきました。風の音、風に揺れて木の葉の鳴る音、静かに散る葉の宙を舞う「音」、時折聞こえる、渡り鳥の鳴き声・・・。こういう日は、耳を澄ませていると日の光の音まで聞こえてきそうな気がします。
そんな静かな一日を過ごしながら、私の胸に、昔のある記憶が一つ蘇りました。
幼稚園に通っていた頃、ある秋、私たちは「感謝祭」の特別な集まりがありました。普段日本では感謝祭という言葉はあまり使いませんが(「秋の収穫祭」というのが一般的でしょうか)、この幼稚園はキリスト教に基づいていたので、文化の一部として、「感謝祭」という言葉を使ったのだと思います。確かに、あの時の礼拝は「感謝祭」というテーマでした。
当時、私の家では、弟が持病の心臓病の手術のために入院していて、母もそれに付き添い、弟と母が二人で近くの大学病院に滞在していました。感謝祭の近づく中、たぶん、幼稚園の先生が感謝祭についていろいろと説明してくれたのだと思います。ある日私は、「折り紙で感謝祭のための果物を作ろう!」と思い立ちました。
工作は好きでも、普段あまり折り紙には手を出さなかった私が、なぜかその時は折り紙をたくさん集めて、小さな4畳半の部屋の隅に座り込んで、せっせと果物の形を折り紙で作っていきました。みかん、ぶどう、リンゴ、・・・当時私の食べたことのあった果物を思い出して、思いつくままに形を作りました。
ずいぶん夢中になって作って、とても上手に折り紙の果物が出来上がりました。
これを病院に行くときにお見舞いに持っていこうと思って、「果物だから、カゴに入れて持っていくのがいい!」と思い付き、前に父に買ってもらったおもちゃの果物が入っていたカゴを見つけて、それに私が作った折り紙の果物を入れて、病院にいる母と弟のところへ持っていきました。
弟は小さかったので、あまり折り紙の果物には興味がなかったようですが、母は喜んでくれて、
「上手に作ったね」
と褒めてくれました。
「幼稚園の先生にも見せてあげたら?」
と言ってくれたので、私は次に幼稚園に行ったときに先生に折り紙の果物を見せてあげました。
それでどうなったかは覚えていないのですが、一つ覚えているのが、その年の感謝祭の礼拝に行ったら、幼稚園の礼拝室の祭壇に、なんと私の作った折り紙の果物が他のものと一緒に飾ってありました。私は、ついこの間病院に持って行った果物が今はこの祭壇に飾ってあるのが何だか不思議で、いつまでもいつまでも、その折り紙の果物を見つめていました。
そんなことを思い出した一日でした。
おしまいに、今週のフォトレターです。
最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆
今日も、皆さまにとって素敵な一日となりますように。
愛を込めて、
オタワの天使