オタワの天使のオタワ日記

カナダをこよなく愛する、オタワ在住の天使がお届けするオタワの日常レポート。

分かち合うことについて

2020年5月30日 オタワにて綴る -

 

皆さんこんにちは、オタワの天使です♪

今日、この日記を訪ねてくださったことに心から感謝します☆

 

土曜日の昼下がり。今日のオタワは曇り空です。気温が30℃近くまで上がったこの一週間の終わりに、今日は15℃と涼しめです。時折風が吹いて、庭の木々たちの葉っぱがさわさわと心地の良い音をたてます。そう、この音が楽しめる季節がまた巡ってきました。毎日晴れの日が続いた先週とは対照的に、今週は雨がたくさん降った一週間でした。日本の夏のように湿度が高く、外に出ると土と草の香りが厚く立ち込め、体全体を包み込みます。なんとなく、懐かしい香りです。

 

皆さんのまわりでは、どんな季節の香りがしますか?

日本ではそろそろ梅雨が始まる頃。その気配はもう感じられたりしますか?

 

今日は皆さんに尋ねたいことがあります。それはこんなことです -

 

「誰かと何かを分かち合うことの喜びって何ですか?」

 

最近よくこのことについて考えるので、皆さんにもぜひ尋ねてみたいと思いました。

 

コロナウイルス対策で三月から家におこもりするようになってからというもの、以前に増して、一緒に暮らすハウスメイトと活動をともにするようになり、生活スタイルの変化とともに、気づくことがいろいろとあります。何も私のシェアハウス生活は今に始まったことではありませんが、こうしてみると、同じ屋根の下に生活することと、一緒に暮らすこととの違いに気づきます。この二つの大きな違いは「分かち合い」の体験です。

 

たとえば食べ物の「分かち合い」。

 

ここに7個のオレンジがあります。この間の買い物で買ったオレンジ。全部一人で食べるのもいいですが(食い意地の強い私はよくやるパターン)、そのオレンジを一つ切ってその搾りたてジュースをオレンジが好物のハウスメイトのところにもっていく。

 

「わー、おいしい!!」

 

最初の一口を飲んでその子の目が輝くのを見て、私の口からも笑みがこぼれます。

 

最近毎朝、私のドアのところにチャイを持ってきてくれるハウスメイト。時にはそれにビスケットやお茶菓子までついてきます。それを「おいしいなー」と味わいながらいただく。自分で作って飲むのとは一味も二味も違う、特別な味わい。

 

そして、物の「分かち合い」。

 

私たちは最近、部屋の中でお線香をたくことにはまっています。日本では仏壇との繋がりが濃いので「えー!」と思うかもしれませんが、これがとても心地よく、リラクゼーションに最高なのです。(ぜひお試しください♪)

 

お線香はけっこう一本一本貴重なので、初めの頃は正直のところシェアに躊躇のあった私ですが、続けるうちに、抵抗がなくなったどころか、分かち合いの魅力に気づきました。一人だと、ひと箱、同じ香りを毎日使わなければいけないところ、何人かでシェアすると、それぞれ違う香りのお線香を持っているので、毎日違う香りが楽しめます。また、部屋のドアを開けておけば、自分ではたかなくとも他の人がたいたお線香の香りを楽しむこともできます。そしてさらに、お線香の香りについて「これはこんな香りだね」とか「これいい香り」とかいいながら感想を分かち合うことも楽しいです。

 

料理の「分かち合い」。

 

一人暮らしに慣れると、計画的に料理することを学びます。つまり、「今日はたくさんつくっておいて、明日は料理しなくていいようにしようっと!」というような作戦です。私は東京での一人暮らし時代からこのスキルを身に着けました。けっこうお役立ちスキルと思うでしょう?でも、これはシェアの精神の前にガラガラと崩れ去ることがあります。

 

たとえば、今日はおいしいシチューができました。ぜひ、皆にも食べてほしく、メモに「ぜひ食べてください♡」と書いて置いておきます。すると、たくさんあったと思っても、翌日には空っぽになっていることもあって、「作り置き作戦」は失敗に終わります。でも、代わりに、いろんな人から「おいしかった!」「ありがとう!」という満面の笑みの感想をもらって、そうなると、「やっぱり喜んでもらえて良かったじゃん。また今晩作ればいいじゃん。」と、嬉しい気持ちが勝るのです。

 

時間の「分かち合い」。

 

私は、子供の頃、家に兄弟もなく(たった一人の弟は私が5歳の時に旅立ちました)、親戚からも遠く典型的な核家族で育ったのと、もともと一人で想像の世界に浸るのが好きな性格だったせいで、大人になってもけっこう一人でいろいろな活動をすることが多いです。それはそれで満足なのですが、私のもう一つの側面は人と一緒に時間を過ごすことに特大の喜びを見出します。でも、普段は普段の生活に埋もれて、そんな自分の側面と離れて過ごすこともしばしばです。

 

でも、この家の6人のハウスメイトとのおこもり生活は、私たちに時間の共有の機会をたくさん与えてくれます。

 

先週は中でもひときわ印象に残る出来事がありました。暑い晴れの日が続く中、私ともう一人のハウスメイトは庭のパティオに家にあったシーツやお布団でテントを作ることに成功、その隠れ家のような場所で本を読んだり、飲み物を飲んだり、おしゃべりをしたりしながら過ごしました。そして、先週末には、夜にテントの中にキャンドルやクリスマスライトを灯して、そこで家の皆で夕ご飯を一緒に食べました。子供時代の夢そのもののような時間でした。皆もそう感じていたのではないかと思います - 子供の頃の自由な感覚。音楽をかけて、歌を歌ったり、学校でやったような手遊びゲームをしたりしました。これは、7人みんなで作り出した時間でした。楽しいだけじゃなくて、何か心の満たされる時間でした。

 

「分かち合い」にはもちろん不便もつきものです。たとえば、皆で一斉注文した買い物の配達が届いてバナナの数を数えると、数が足りない。バナナは皆注文したから、公平に分けなきゃいけないんだけど、どうやら全体の数が足りなかったよう。

 

自分の分のバナナを取ろうとしたら、なんと10個注文したはずが、5個しかない・・・

 

「わたいのバナナはどこへいったーっ!!!」

 

10個のはずのバナナが5個しかなかった。食い意地の強い私にとってこれは大問題。

 

「大問題じゃー!!!」

 

ひとしきり自分の中で騒いで、すっきり。

 

「10個注文したはずのバナナが5個だけ私のところに届きましたとさ。つづく。」

 

こういうさもない不便はつきものですが、そして中にはもうちょっと大きな不便も時にはあるかもしれませんが、でもそれを超えて、何かを誰かと分かち合うことには、他では得られない独特の喜びがあると、改めて感じている今日この頃です。自分の思い通りにならないこと。でも思い通りにならないから、思いがけない喜びや発見に恵まれるということ。

 

皆さんは、最近どんな「分かち合い」の瞬間がありましたか?そこで感じる気持ちはどんな気持ちですか?

 

おしまいに今週のフォトレターです。

 

 

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手作りテントの屋根を見上げると

 

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風鈴の贈り物

私のオタワ到着3周年記念に、同じフロアの三人の女の子がこの素敵な風鈴をプレゼントしてくれました。

 

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日暮れ前の光のマジック

 

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親友二人

 

天使の29年来の愛犬のGund君はハウスメイトのテディベアのTushu君と親友になりました。二人はこの冬一緒にインドに行ってきました。帰ってきてからというもの、二人の絆は深まり、兄弟のようにいつも一緒にいます。「Brother Gund, what do we do now?」「Just look at the sky, my brother. The colour is changing!」「Oh yes, my brother!! Why is it changing like this?」「... That, my brother, we have to imagine, for we don't know the reason!」

 

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楽しい二人

 

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アボカド&ヌテラ王子

こちらは今朝、ハウスメイトが作った作品、「アボカド&ヌテラ王子」。完成直後、「今のお気持ちは?」とインタビューしたところ、「I feel so happy and beautiful!」と答えた、かわいい王子です。

 

 

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました☆

 

今日も皆様にとって素敵な一日となりますように。

 

 

 

 

愛を込めて、

オタワの天使